趣味に費やす金額について

タイトルはアラジンさんに便乗。

http://d.hatena.ne.jp/cdc/20091020

私はマジックを優勝賞金額を連呼するようなゴルフの大会モデルとして扱うことにはどちらかと言えば批判的なんですが、それでも「世界のトッププロと同じ道具がたった5万円で揃う」ということには頷けるものがあったり。
まあ常識的に言って「高い」とは言えんわな、それは。

自分は今はゴルフの趣味はないけれど（※）「プロと同じ道具を使えなければ中高生が遊べない。これでは第２の石川くんは現れずゴルフは衰退するのでメーカーはプロのクラブを1本2千円（※※）で売るべきだ」とか主張したらどう見ても狂人扱いされるだけなんですが、そういう主張が大手を振って歩いては叩かれているのが２ちゃんの某スレだったりするんだよね。
あとは勿論、あいせんもですが。

※リア小の頃は「プロゴルファー猿」を読んで原っぱで野球バットでゴルフボールを叩いていたこともありましたが（笑）
※※本当は実情に沿ってもう１桁上げるつもりだったんだけど、そうすると最初から「普通の中高生には無理」という結論にしかならないので下げました。





つうか２ちゃん某スレを読んでマジでびっくりしてるんだけど、とりあえず週に千円程度の出費すらも「高い」と言って拒否しつつマジックを楽しませろ、できなきゃ衰退するとかいう主張は、さすがに無理筋にも程があるんだけど。
それは「中高生」を口実にすれば通るレベルの話じゃないだろー。
それを主張し続ければ「乞食」呼ばわりされるのも当然だろー。

（現代の中高生の小遣いがそんなに少ないか？バイトはせんのか？というのはひとまずおいておく）

ていうより、もっと正確に言えば、極論すれば金を１円もかけなくでも「工夫」すればマジックを遊ぶことは可能さ。
貰ったカードでコモンデッキを組めばいいし（そこでどうしてもコモンカードが欲しけりゃ私の友達ならやるよ。稲妻や強迫だって余ってるぞ）、定期券の範囲で歩いて店や大会に出て、本戦はパスしてドロップ組に声かけてフリー対戦を申し込めばいい。それほど難しい話じゃないよ。

…でも「君」がやりたいのは、決して「そういうマジック」じゃないんだろ？　君はスタンダードの大会に出て、そして何よりも、そこで勝ちたいって言うんだろ？

だったらどう考えても、最低ちょぼちょぼでもパックを買い集める程度の出費は必要だし、あるいは50円のカスレアやアンコを4積みした強いデッキを考案したり、アンコモンのタップイン１点回復２色ランドを使う程度の工夫は必要だ。今ならボロス上陸がお勧め。
腕と運があればそれで地元の大会の優勝も夢ではないと思うぞ。たぶん。

何？タップインじゃ遅いからフェッチを４枚くれ？悪斬を４枚くれ？ラスゴと十字軍も４枚くれ？　でもそれでも、やっぱり週に千円もかける気もないし、借りる友達もいないからウイザーズにこれらを安くシングル販売して欲しいって？



…どうみても君はただの身の程知らずのワガママなだけです。本当にありがとうございました。

ていうか、君はこっちに来なくていいです。
それはこっちが門を閉ざしているわけではなく、君がそういう自分勝手な理由でこっちに来ないだけの話ですから。裏口入学は認めませんよ。
まして、そういう君がその状態でマジックの世界に来ないことが、マジックの衰退の原因につながるとは決して思えませんから。





そもそも根本的に「趣味」の世界なんだから、遊ぶにはそれなりの金や時間を消費することは当然で、個人差はあれど誰しも自分の懐具合や時間の範囲で遊ぶもの。
そして費やした金や時間によって遊び方や結果に幅や制限が出るのも当たり前。
金や時間がなければ、我慢したり工夫したり、あるいは諦めて去るのも仕方のない話。
こんなことは、ありとあらゆる趣味の世界で言える話だよ、どう考えても。
ていうより、昼休みに外で食事をする際にですら言える話だよ。

そして買う前には、自分にとって悪斬に7000円の価値があるのか、その金を出してでも悪斬を「いま」自分のデッキに入れたいのかを十分に考えぬいてから財布の紐を開くか決めればよろしい。
まあ自分はその価値はないと思いますが（笑）、価値があると思う人が買うのは勝手。
誰もその人に悪斬を買うことを強制したわけでもない。悪斬が7000円で売っているのは、その値段でも買う人が（驚くべきことに）居るからなんだよ。

そして金を出さない人が出した人に対して「俺はお前が使っただけの金や時間を費やさないけど、お前と同じだけのカードや結果を受け取れるのが当然。だから悪斬を誰でもデッキに４投できるようにウイザーズが今からでもシングルで安く販売するのが当然」と主張できるわけもない。

…どうも、書けば書くほど、某スレで吠えているのがＤＱＮか狂人にしか見えんなあ。





あと、これも根本的な話なんだけど。

そもそも本当に真剣にある趣味のジャンルの「衰退」や「終了」を心配しているのならば、何より一番心配すべきなのは「ユーザーが喜んで金を落とす」モデルができているかどうかに尽きるのだよ。それが企業活動を必要とするジャンルである限り。
こんなことは、なぜ「ゴルフ」や「将棋」はああいう形で存続できるのかを考えても分かる話だし、あるいは自分が好きな趣味のジャンルが衰退していった寂しい経験をしている人ならば分かる話だと思うんだけどね。
だからそういう考察や寂しい経験のないリアル中高生が、たとえばマジコンを使ってＤＳのゲームを遊んだり、ＰＣゲームをコピーして遊んだり、借りたＣＤやＤＶＤをリップしたり、Winnyでナニするのは、ある意味、まあ分かるんよ。
だけどいい歳をしたプレイヤーであるならば（特に社会人ならば）、そういう自分の行為は恥と認識して控えるべきものだし、自分がそのジャンルの繁栄を願うならば、とりあえず楽しむ前提として「提供者が要求する金」は喜んで払うべきなんだよね。
基本は「払って遊ぶ」か「払わずに遊ばない」かの二択でしかないのさ。

だから私は「ユーザーに喜んで金を払わせる」ことに全力投球している今のウイザーズの姿勢をとても好ましいことだと思っているんだよね。
これは別にウイザーズの工作員とか回し者だとかいう話じゃなくて、言わば「サービス」を受け取る社会人としての常識。

あいせんが可笑しいのは、自分がＫＯＦ好きを公言していて対戦格闘という「ジャンルの衰退」を実際に経験している癖に、こういう簡単な経済力学にはまるで無頓着であることなんだよね。
もっとも、あいせんは別に「マジックの繁栄」を望んでなどいないのだから別に矛盾はないとも言えるのですが（笑）、でもとりあえずそれなら経営方針だの販売だのを語るなよなぁ。



（余談）
昨日、秋葉原を歩いて、噂どおりに悪斬7000円だの夜候3800円だのを確認した今日この頃です。
悪斬はともかく、夜候を何で俺は150円の時に買い占めておかなかったんだろうと己の不明を恥じるばかりです。これはタルモゴイフが200円だったとき以来の感覚ですね。
まあ、タルモと違って夜候はいずれは下がるだろうけど（笑）

何にせよ、夜候のケースからも明らかに「カードが高い」のは「その値段で買う人がいるから」だとしか言えないんですよね…。