遊び仲間を見つけた私は、彼らと水道橋Future Beeで週末に集まってマジックを楽しむようになります。

「ウルザズ・サーガ」が出たので《ヤヴィマヤの女魔術師/Yavimaya Enchantress》を《アルゴスの女魔術師/Argothian Enchantress》に入れ替えたりはしていたものの、相変わらず自分のメインデッキは《狂暴ウォンバット/Rabid Wombat》《オーラトグ/Auratog》を軸にした緑白オーラデッキでした(当時はまだ「オーラ」というルール用語はなかったのですが)。

しかしこの頃にはさすがの自分も、ごてごてと一杯オーラを貼ったクリーチャーが除去されるということのリスクを感じ始めます。

1998年2月、そんな私の前に「ウルザズ・レガシー」が発売されました。そう、マジック史上最強のぶっ壊れたオーラである《怨恨/Rancor》の登場です。
常に使えるオーラを模索してオーラデッキを直していた私にとって、このカードはまさに衝撃でした。
「クリーチャーが死んでも墓地に落ちずまた使えるのか!」
「1マナのエンチャントってことは、つまりこれ緑が4マナあれば、そのうち3回をオーラトグにかけて食べて最後にかければオーラトグは9/8トランプルになるのか。スゲェ!」

ということで、ネットなどで情報も集めていなかった私は、当時それが「オーランカー」と呼ばれる、誰でも考える単純なコンボデッキであることも知らず、ブイブイ回すことにします。
そんな私がいつもの面子と4人戦を行いました。

私「オーラトグに怨恨を貼ります」
H「それでは、それに対応してオーラトグに2点」
…オーラトグは墓地に落ちて、対象不適正になった怨恨は墓地に落ちました。

次に私は、オーラトグに怨恨を貼るのは最後の1回のみにして、それまではタフネスの大きい別のクリーチャーに怨恨を貼ることにしました。

私「オーラトグが怨恨を食べて+2/+2します」
H「それでは、それに対応してオーラトグに2点」
…怨恨は手札に戻ったものの、オーラトグは墓地に落ちました。

私「ありったけのマナを注ぎ込んでパンプアップした(今度はどうだ!)9/8トランプルオーラトグが攻撃します」
H「それでは、それに対応してオーラトグに『恐怖』を」
…殴れませんでした。

それまでの私は、ほとんどフルタップでありったけクリーチャーを強化して殴るという「ポータル」なプレイしかしておらず、インスタントはせいぜい「相手のターンにも打てるソーサリー」という程度の認識しかありませんでした。
ぶっちゃけ「インタラプト」というのは当時の私の頭で理解できていなかったです(笑)。
(まあ、間もなく6版が出て「インタラプト」はなくなるのですが。)

いや実際、当時の私は4版のコモンで「飛行」と「ジャンプ」が並んでいるのを見て、「同じ青の1マナなら1回しか飛べない『ジャンプ』よりずっと飛べる『飛行』の方が得じゃん」としか考えてなかったんですよね。
そこで「なぜ『ジャンプ』があるのか」と考えればまた違ったのでしょうけど。

ともあれ、Hによって私は、相手のやりたいことをやらせないようにして勝つ「マジック」というゲームについて、より深く教えられることになります。

(つづく)

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